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「ホフマン物語」リヨン歌劇場来日公演

 もう一週間以上たってしまいましたが、まだ音楽が身体の中で鳴っています。体調が問題で、オペラを鑑賞する機会がめっきり減っています。それでも、この公演だけは絶対に行くぞとわざわざBunkamuraに登録して、発売当日にチケットをゲット。いよいよ公演が近づいてきて、幸いにも無事に生きています。かかりつけの先生にお願いして、痛みどめも処方していただきました。

 5日の初日をご覧になった方が絶賛されています。Twitterに得チケ情報が載ったので、思わず7日のチケットを買ってしまいました。S、A席が17000円とは、定価の半額以下です! 当日窓口で開演1時間前から先着順にチケットを渡すということなので、行列覚悟で1時間前に行ったら、行列もなく、後ろではありますが、拍子抜けするほどあっさり1階席がいただけました。

 「ホフマン物語」はウィーン、ミラノ、ビルバオで観ていますが、フランス語を解さない者には、日本語字幕付きの公演はありがたい。とくに今回のようにセリフがたくさん入るオペラコミック風の公演ですと、少々予習していってもチンプンカンプンな部分が多くなってしまいます。

 7日はホフマン役をレオナルド・カパルボが演じました。あとはプレミエキャストです。カパルボはプログラムの写真より遥かにチャーミング。まだ若く、チョーフィの相手役としては姉と弟のような感じでしたが、無理のない歌唱と洗練された動き、「あやしゅうこそ物狂おしけれ」といった風情の痛々しいホフマンを演じて、すっかり引き込まれました。

 この方、日本が気に入ってくださったらしく、Twitterに「Sayonara Tokyo! I will miss beautiful Japan and it's wonderful people. Arigato gozaimasu!」というコメントを残していかれました。すっかり怪しくなったイタリア語で極短のコメントを入れたら、Grazieと返してくださって感激。以下の3枚の写真はカパルボのHPから転載しました。

Caparubo

Caparubo1

Hoffmann_3

 舞台はほの暗く、後方の席ではよく見えなっかた場面もあったので、9日の公演への期待がいっそう高まります。終演が10時35分、若者であふれる渋谷の喧騒を縫って帰宅したら、もう12時前。すっかり疲れましたが、久々の良質の音楽に心は高揚していました。

 さて、9日。発売開始を待ちかねてゲットした13列目というチケットでしたが、行ってみたら、8列が最前列で、実質6列目の見やすい席でした。後方では気が付かなかった部分もはっきり見え、予習?の成果で流れが把握できてよかったと思います。

 オペラ歌手のステッラが舞台に建っている間にホフマンが三つの恋を語るのですが、冒頭、ステッラがドンナ・アンナのアリアを歌い、モーツアルトの音楽がそのままオッフェンバックの音楽につながっていきます。今日のタイトルロールは、ジョン・オズボーン。確か、この方を初めて聴いたのは、ローマのコンサート形式の「ギョーム・テル」のアルノルドでした。そして、ミラノの「湖の女」。輝きのある声と楽々という感じの高音に魅せられて、三度目の機会を待ち望んでいました。意外とテノールが活躍するオペラは少ないので、この公演でオズボーンの力量をしっかり受け止めることができ、大満足です。

 相手役のチョーフィは、昔々、スカラ座の「愛の妙薬」にデヴィーアの代役で出てきたのを聴いて以来、何度も出会いがありましたが、今回の4役は最高の思い出になるでしょう。1日置きにあの大役ですから、3日目は少しお疲れ。5日と7日を聴いた方が7日のほうが出来がいいと言われていたし、5日と9日を聴いた方は初日のほうがよかったと言われていたので、7日に行ったのは正解だったかもしれません。額にしわを寄せた苦渋にみちた表情&歌唱というイメージがあったので、溌剌としたオランピアやカーテンコール時のフレンドリーな様子で、遅まきながら、新しい魅力を感じました。

 オランピアの空中浮揚は音の高低に合わせて上下したり、オーケストラ席の上まで飛来したり、最後にライトが当たって、種明かし。招待客はなぜか全員がメモ帳持参のジャーナリストです。

Ciofi

 最初で最後かもしれないバス4役のロラン・アルバロ、素晴らしかった! コッペリウスが衣の下に目玉多数(上の写真の真ん中)は、後方ではよく見えませんでした。ミラクル博士は軽やかな身ごなしで神出鬼没。鈍重な肥満バスには無理でしょうね。とても魅力的な悪魔です。

Ciofi2

 4役のテノールのデュポアも大健闘。配役に隙がありません。バスの声を出したり、90度の開脚を披露したり、サービス精神も旺盛です。

 ミューズとニクラウスを演じたミシェル・ロジエは、素敵なズボン役ですね。この役はスカラ座のガナッシがいいと思っていましたが、すっきりとした腰回りは誰も追随できないでしょう。最後のミューズへの早変わりは、目の前でみても信じられません。

 全体に色彩は抑え目で、煙や炎、映像(目玉、不思議な渦巻き、アントニアの母)、影と光(とくに四角い鞄を持つコッペリウスの影、鞄を開けると不気味に光るコッペリウスの顔)、パネルや大道具の動き(3幕の階段の距離感、4幕の長椅子、4幕のカーテンの動きと揺らぎ)のセンスの良さに感動しました。台本の1幕はニュルンベルク、2幕はミュンヘン・・・と各幕ごとの場面設定よりは音楽と登場人物の心象風景を重視した舞台づくりにも共感を覚えました。

Ciofi1_3

Ciofi3

Ciofi4

 楽日のカーテンコールで指揮者の大野氏が変な眼鏡と付け髭、杖で登場して驚いたのですが、Twitterにいち早く載ったBさんのコメントで、作曲者のオッフェンバックの扮装であることを知り、その慧眼に敬服しました。見つけた写真、なるほどそっくりです。

Jacques_offenbach_01_2

歌劇「ホフマン物語」
※全5幕、原語[フランス語]上演・日本語字幕付き
スタッフ

作曲:ジャック・オッフェンバック
台本:ジュール・バルビエ

演出・衣裳:ロラン・ペリー
演出協力:クリスチャン・ラット
衣裳協力:ジャン=ジャック・デルモット
台本構成/ドラマトゥルク:アガット・メリナン
舞台:シャンタル・トマ
照明:ジョエル・アダン
ビデオ:シャルル・カルコピーノ

指揮:大野和士(フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者)

キャスト:
ホフマン:ジョン・オズボーン[7/5、7/9]、レオナルド・カパルボ[7/7]
オランピア/アントニア/ジュリエッタ/ステッラ:パトリツィア・チョーフィ
リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥット:ロラン・アルバロ
ミューズ/ニクラウス:ミシェル・ロジエ
アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:シリル・デュボア
ルーテル/クレスペル:ピーター・シドム 
ヘルマン/シュレーミル:クリストフ・ガイ
ナタナエル/スパランツァーニ:カール・ガザロシアン
アントニアの母:マリー・ゴートロ

合唱指揮:アラン・ウッドブリッジ
合唱:フランス国立リヨン歌劇場合唱団
管弦楽:フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団

 

自分自身のための備忘録としてはまだまだ不十分ですので、今後も書き足していきたいと思います。 

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音楽」カテゴリの記事

コメント

羨ましい!何の知識もなかったので、関心がなかったのですが、せっかくオペラに詳しい方がいらっしゃるのですから、前もってお聞きしておけばよかった。
ホフマンの舟歌ぐらいは昔聞いた覚えはあるのですが、その頃はオペラに関心の持ちようもなかった時代でしたので・・・なにしろめまいがいつひどくなるかわからないので、よほど関心がないと前売りを買う勇気がなく、「ナブッコ」も行けそうもないと思い買ったチケットを誰かに譲ろうと思ったのですが、行きたいと行っていた方がイタリアに行ってしまったので、結局勇気を出していったくらいです。
もっとお話を聞かせてください。悔しさが募るだけかもしれませんがそれでもお聞きしたいです。

お待ちしていました。さすが、です!
素晴らしい編集、写真の数々、どこから探されたのですか?
カパフボの舞台写真、見たかったので満足しました。
評論家も顔負けのオペラ鑑賞歴お持ちのあなただからこその記事です。
おかげで記憶が再びよみがえり、うれしかった!!!

tinaさん

 最近はめっきり外出の機会が減りましたが、この公演だけはと思っていて、当たり! でした。昨夜は近場の会場で若いリリコテノールのリサイタルに行って、また疲れました。ご期待に添えるかどうかわかりませんが、忘れてしまわないうちに「ホフマン物語」について、駄文を綴るかもしれません。
 あまり先のことは考えにくいのですが、次は「ポッペアの戴冠」です。aliceさんもいらっしゃいますよ。と誘惑。
 インスパイアされたという映画を観て、図書館にリクエストしていたツヴァイクの自伝がやっと手元に来て、読み進めていますが、まだまだ知らないことがたくさんある、とため息がでます。

cannella さん

 いつも過分のお言葉をいただいて赤面しています。写真は著作権問題が心配ですが、ごくわずかの方しかご覧にならないブログですので、まあ、いいかと。カパルボの写真は、ご本人のHPと今公演のゲネプロです。
 いい雰囲気のレストランの予約の労をとっていただいて、感謝しています。貴重で楽しい時間でした。なかなかこれはという公演に恵まれませんが、極上の音楽体験を共有できて、喜びも倍増です。オズボーンも出演するメトライブの「湖の女」はぜひ見たいと思っています。鬼が大笑いかも。

6月の旅行記に手間取って、こちらの記事に気が付かず、読むのが遅くなってしまいました。私では到底気が付かないことも多く、興味深い解説に感嘆しています。
ホフマンはパリ、ザルツブルク、ウィーンに続いて4回目でしたが、ケック版というのはやはり初めて。洗練された演出や日本語の字幕だったこともあって、今まで分かりにくかったところも解決。私にとっても決定版になりました。
大野さんの変装、オッフェンバックだったなんて、私も気が付きませんでした。お茶目ですね(笑)

夕食も孤食になるところでしたが、誘っていただきありがとうございました。Cannella様のお手配で遠くまで行かずに美味しいものがいただけました。ゆったりシニアだけのお食事もいいものですね。次回の秋も楽しみにしています。tinaさんもぜひ!

>オズボーンも出演するメトライブの「湖の女」
ミラノと同じキャストでしょうか?演出だけは違ってほしいです。

aliceさん
 METは指揮はMariotti、演出はPaul Curranという方らしいです。東銀座まで行くのが辛いのですが、予告によれば主要4キャストはスカラ座と同じです。「湖の女」は2000年ごろペーザロでやったのが変な演出で、歌手も歌いにくそうでしたから、スカラ座はそれよりは良かったのですが、いまだに何故? という場面がたくさんあります。またお会いできるの、楽しみです。いつも、これが最後と思いつつ・・・。

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