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「名作誕生」東博再訪

 5月8日(火)から後期の展示が始まった東博の特別展「名作誕生}を再訪してきました。彦根城博物館蔵の「彦根屏風」の展示は5月15日(火)から27(日)までなので、16日に行ったのですが、とても暑い日で涼みに行くのはもってこい。前期よりも来館者は増えていました。東博は広いし観たいものが多いので、体力温存を図って、行きは中央線の御茶ノ水駅前からタクシーを利用しています。

 前期の「松林図屏風」に替わって、富士山・三保の松原・清見寺の三点セットが並んでいました。先日、静岡から三島に行く途中で通った清水から清見寺に行けるので、機会があれば訪ねてみたいと思います。

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 まず伝雪舟の「富士三保松原」(永青文庫蔵)。近年の研究によって雪舟の原画ではなく、室町時代に描かれた忠実な模本と考えられていますが、現存する作例が極めて乏しい雪舟の真景図を考える上で非常に重要な作品と位置づけられています。

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 続いて狩野山雪の「富士三保松原図屏風」(静岡県立美術館蔵)。清水港ごしの富士で、右隻の連山は愛鷹山、左隻近景は清見寺です。基本的な図様は、伝雪舟画を継承していますが、景物を平行・相似の関係におき、垂直線や「へ」字型を反復する幾何学的な画面構成や復興後の清見寺伽藍の描写は独特で、署名の「山雪始図之」は新しい図を描いたという宣言、というのはいかにも山雪らしいと思います。

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 最後が曽我蕭白の「富士三保松原図屏風」(MIHOミュージアム蔵)。三保の松原に大きな虹がかかっています。三者三様の富士山の絵をゆっくり拝見して、私のなかの富士山について回想にふけったひとときでした。

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 後期だけの展示では伝俵屋宗達の「蔦細道図屏風」が素晴らしいです。通常、二双の屏風は横並びに展示されたいますが、「洛中洛外図屏風」を見たとき、屏風を向かい合わせに立てて、真ん中に座って眺めるのだという説明がありました。この屏風もそういう立て方をすれば、右隻の左端が左隻につながり、左隻の左端が右隻につながります。実物はもっと金色が鮮やかで、デザインが非常に見事です。

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 「彦根屏風」(彦根城博物館蔵)は初めて観ました。彦根藩主の井伊家に伝わったので、その名がありますが、作者は不明です。制作されたのは寛政年間(1624~44)と考えられ、当時の京都の遊里の様子が描かれています。衣裳の文様と色彩にも魅了されました。

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 もう一点、ぜひ観たい山水屏風が本館の国宝室に展示されています。京都の神護寺に伝わった現存最古のやまと絵屏風は、穏やかで美しい山並みと貴人や庶民たちの営みが細かに描かれています。本来、屏風は建物の中を仕切るための調度品の一種でしたが、灌頂という密教の儀式で用いられるようになります。「名作誕生」の前期展示を見に行ったときに、本館で出会った天野山金剛寺の「日月山水図屏風」も密教の儀式で用いられたものですが、平安時代の完成された美しい作品を目の当たりにして感動しました。

 だんだん出不精になって、予約したり、切符を買ったりしないと、やめておくほうに傾きがちです。こういう機会を逃すのはもったいないと改めて感じた午後でした。

 

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コメント

屏風の立て方、大事なのですね。 それで気が付いたことがあります。
未だアップロードできていないのですが、ビザンティン美術の旅。
ビザンティンでは聖堂のプログラムが しっかり考えられていて、西と東 ( 聖母子と 聖母の御眠り)という対比、だけでなく南壁と北壁も考えられた配置になっていているのです。
受難の予告と成就 という関係になるように配置を考えて描かれているのです。
展示は会場の制約もあるのでしょうけれど、矢張り 画家の意図がいかせる工夫がほしいものですね。
私は世界が狭くてなかなかkikoku様にはおいつけません。日本画に目が向けられる日が来るといいのですが。 

 ビザンティンの聖堂のプログラムのお話、とても興味深く、拝見できる日を待たせていただきます。

 引きこもり防止のためのモチベーションづくりというか、自らへの口実にとして出歩いているだけで、美術についても門前の小僧にもはるかに及びません。「彦根屏風」は、近年の修復の際に、切り離して額装されていたものを本来の屏風の形に戻したので、山折りと谷折りがもたらす効果が明らかになったそうです。15人の男女と一匹の狗の視線の行方なども微妙でした。非常に情報量が多く、見る人の力量が試されているようで、うろたえてしまいました。

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